そういうわけで、(どういうわけやねん)
初めて波照間を訪れた翌年、今度は小浜島に行くことになりました。
仲の良い仕事仲間がずっと小浜島の細崎にダイビングで通い続けていると知り、
じゃあ一緒に、ということになったわけです。
小浜のことはまた改めて書くとして、(置いとくんかい!)
その旅の中、二泊だけ竹富島に泊まることになりました。

民宿「のはら荘」の庭で、談笑(…ま、大阪弁で喋りまくってたんですね)していた我々の前に、
フラリと現れた青年がいました。文字通り、自転車でフラリと。
「今夜泊まれるとこ探してるんです」
なんと絵を描きながら、その自転車で日本一周をしていたのです。同じ大阪もんとわかったあとは、親しくなるのに時間はかかりませんでした。
一緒に小浜にも行き、大阪に戻ってからも、年少の友人として楽しい付き合いが始まりました。
間もなく彼は一冊の絵本を出し、それを期に次々と作品を発表。
八重山をモチーフにした作品が多く、その独特の画風はファンを増やしていきました。
そんなある日、彼は「ねぷた」の製作に携わることになり、青森に創造の拠点を移し、
一層、活動の幅を広げ始めました。
私は東京に転居したこともあり、当時の仲間たちが集まることも少なくなりました。
時は流れて十年以上。再び私が、竹富島に遊びに行った時のこと。
宿泊した民宿「泉屋」にあった、一枚のCDが目にとまりました。
BEGINのボーカリスト、比嘉栄昇さんのソロアルバム「とうさんか」という作品のジャケットを
彼が手がけたことは伝え聞いてしましたが、実際に目にした時は、そらぁもう感慨深いものでした。
しかも、竹富島で――。
真っ黒に日焼けして、ちょっと時代遅れの自転車で大荷物を担いでやってきた青年のまっすぐな
夢は現在も、真夏の入道雲身のように、にょきにょき育ってます。
少路和伸、というのが彼の名前です。
会った時と変わらず、職業を「絵描き」と名乗ってます。
会った時から変わらず、私たちは彼の絵に対する創造的で真摯な態度に敬意を抱いてます。
ちょっと天然の、素敵な万年青年、「絵描き」です。
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